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まだ現役。

広告業界で働くITエンジニアなおっさん、未だにラノベを読む。ラノベ以外も読むし、時にはゲームやアニメの話もする。

『いつかの空、君との魔法』読んだ

こんにちは、おっさんです。

さて、今回は第21回[春]スニーカー大賞《優秀賞》受賞作『いつかの空、君との魔法』を取り上げたいと思います。

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常に上空を覆う雲によって、空の青さを知らない世界。雲を払えるのは《ヘクセ》と呼ばれる魔法遣いだけ。「高く飛べない」少年と「空でしか生きられない」少女の出逢いが、世界の色を変えていく――。

いつかの空、君との魔法: ライトノベル: 藤宮カズキ | KADOKAWA-角川書店・角川グループより。

空を喪った世界で星を取り戻す青春ストーリー

皆さん、星座っていくつ言えるでしょうか。

例えば星占いに出てくる12星座。これは黄道十二星座と呼ばれ、人類史でも最初に名前が付いた星座群です。だから家畜の星座は全部ここ。生活に密着していました。

全部で88ある星座のうち、日本から全く見えない星座もあります。

カメレオン座」「テーブルさん座」「はちぶんぎ座」の3つがそう。

そのほかは少なくとも一部は頑張れば見ることができます。日本、案外広いんですよね。

そうして身近なはずの星座を、分厚い雲で空がさえぎられることで失ってしまった世界。そこには空を取り戻そうと頑張っている少年少女たちがいます。

本書は、そんな彼らの奇跡のような青春の話です。

精霊が当たり前に存在する世界での人の在り方

本書で描かれている世界は空気や水のように精霊が満ちているんだそうです。

で、人は栄養素のように、精霊を取り込まないと生きていけない、という設定。

この設定を見てハッとしたんですが、そういうものが当たり前に存在すれば、そこで生きている人たちってそれを必要とするように進化する可能性、確かにあるんですよね。

今までもファンタジーなどでは魔力切れみたいな表現は珍しくなかったのですが、それを病気とか、必須な栄養の欠乏のように描いた作品は少なかったように思います。

考えてみたら、人類だって本来毒性の強い酸素を呼吸で取り込んでATPを取り出すことができるように進化してきた生き物です。新しい世界を設定したら、そこで過ごす人々がどんな性質を持って進化してきたのか考えるのも案外楽しいかもしれないな、とちょっと思いました。

ヘクサという仕事

本書の主人公もヒロインも、サブヒロインもみんな「ヘクサ」という仕事というか役目のようなものについています。これは分厚い雲に覆われてしまい、上空の精霊圏から精霊を呼び寄せるために箒に乗って空を飛ぶ、という役目。

雲が厚いと、精霊が上空から降りてこなくなるんだそうです。そうなると、精霊を必須栄養素としている住人たちや、その人たちが住む都市自体がダメになってしまう。

だからヘクサが儀式として飛び回ることで上空から精霊を呼び込むんだとか。

ちなみに本書の精霊は無垢なエネルギーというか、実体も自我もない子どものようなもので、ヘクサが楽しそうに飛び回ったり魔法を使ったりすると、それにつられてふらふらと降りてくるようですね。なんかプリティー。

あ、主人公くらいの少年少女といえる年齢の子どもが自然と精霊と交信して使う力を魔法、大人が背入れをエネルギーとして活用している技術を魔術、と呼称するようです。さらっと用語が混ざっていて見落としそうになったのですが、どうもそういうことらしい、となんとなく理解しておけば大丈夫。

描写にアラは目立つけど

これは仕方ないのですが、作者が新人であることもあって、ちょっと描写のわかりづらいところとか、書いてある内容はわかるんだけど、絵として伝わってこないような箇所が少し目立ったかな、という印象。

また、ヘクサについても、上記の役割からすれば滅茶苦茶重要なはずなのです。 ヘクサが飛ぶときは中継が入るレベルらしいし。

その割に主人公が登校するときとか、まわりはあまり気にしていないというより気づいていないくらいの知名度。

確かに主人公は作中で「三流のヘクサ」って呼ばれているくらい評価が低いですが、それにしてもちょっと作りこみの甘さはあるかなぁ、と。

このシーンは割と冒頭のところなのですが、そのせいでなんとなく主人公の立ち位置が見えないまま物語の中盤になっちゃった、という感じで実にもったいない印象をもちました。

お話としてはすごくキレイでいい話だから、そういうところが目立っちゃうんですよね。

最後に

最近、星空を背景に据えた作品を見聞きすることが多い気がします。

例えば映画のほうのブログで取り上げた『planetarian~星の人~』などがそう。作品中、一度も星を描いていないのに、なぜかキャラクターの背景に星空が浮かぶ、そんな作品でした。

ossan-movie.hatenablog.com

多分、星空って純真に子供心にかえれる、そういう原風景なんだと思います。

ここ何年もちゃんとした星、見ていないなぁ。今度南の海に遊びに行くので、チャンスがあればしっかり見てみたいと思います。

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

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